るーこちゃんと花梨ちゃんと

 

 

 

今日は特に用事が無いので、俺はるーこの働いている喫茶店にやってきた。あいつ、近頃全然学校に来ないし、様子見も兼ねてだけどな。

「るーこはっと……おっ!いたいた」

すぐにウェイトレス姿のるーこを発見できた。この時間、客がいない為テーブルを拭いていた。

「おーい!るーこ!」

俺が呼ぶとるーこはすぐに気づき、こちらにやってきた。

「うー、よくきたな。いらっしゃいませだ」

「ああ、いらっしゃいましたぜ」

手を上げて応える。

「注文を聞こう」

「じゃあ、とりあえず紅茶で」

「他には?」

「いや、後はいいや」

るーこがこちらを見つめる。

「……うーは紅茶一杯で居座るつもりか?」

暗にもっと注文しろと言っているようなもんだ。

「うっ、じゃあサンドイッチなんかも頼もうかな」

「わかったすぐに持ってくる、待っていろ」

そう言って、るーこは店の中に入っていった。

 

5分後……

「持ってきてやったぞ、うー」

るーこの持つトレイにはサンドイッチ、空のカップ、紅茶の入っているだろうティーポットが乗っていた。

「お、本当に早いな」

「当たり前だ。この店のモットーは早い安い美味いだからな」

「へー、そうだったんだ」

なんか牛丼屋みたいだな。

「紅茶はるーが注いでやろう」

そう言うと、るーこはテーブルの上にカップを置き、『あの』水芸を披露してくれた。

「おおっ!」

やっぱり何度見ても凄い。よく紅茶が零れないものだ。

「さぁ、食すがいい」

俺の目の前に紅茶とサンドイッチを並べてくれた。

「では、いただきます」

冷めない内に食べるとしよう。

 

パクパク、もぐもぐ。

「うまいか?」

何時の間にかテーブルに座り、頬杖をつきながらこちらを見ているるーこ

「ああ、うまいよ……ってるーこいいのか?こんな所で油売ってて?」

「もうすぐ閉店時刻だぞ、うー?客がいないのに何をしろというんだ?」

いや、片付けとかはあると思うぞ?

「それにるーは優秀なウェイトレスだからな、少しぐらい休んでいても罰は当たらん」

確かに。るーこがバイトを始めてからこの店は前よりも賑わっている。

「でもなー。見られながらだと食べ難いんだけど」

「そんな事を気にしているようではまだまだだぞ?うー」

どうも見ることを止めるつもりはないらしい。

「ま、いいか」

俺は食べるのを再開した。

パクパク、もぐもぐ。

「ふふふ…」

俺が食べる姿をニコニコ?笑いながら見つめる。

「…やっぱり食べ難い」

そう言うとるーこが口を開いた。

「うー、そのサンドイッチを作ったのはるーなのだ」

「え、本当?」

「本当だ。せっかくうーの為に作ってやったのだ。食べるところを見られるぐらい我慢しろ」

あー、そういえばこのみが家で料理作ったときなんか自分の分も食わずに俺のほうばっかり見てたもんなー。こっちがいくら止めろって言っても聞きやしない。やっぱり人が自分の料理を食べている所って気になるのだろうか?

「わかったよ。気にしないようにする」

「それでいいのだ。うー」

ま、俺のためにるーこが作ってくれたんだ。見られるぐらい我慢するとしますか。

 

俺は無言で食べ、る−こは無言で俺を見ている。き、気まずい。何か話しをするべきだな。

「そ、そういえばさ、るーこ」

「なんだ、うー?」

「バイトの方の調子はどうだ?」

とりあえずあたりさわりの無い話を振ってみる。

「ああ、ここの店は良いうーが多いからな。るーも楽しく働ける」

「それは良かった」

「ただ……」

「ただ?」

「客の中に不届きにもるーをナンパしようとする奴が偶にいる」

まぁ、るーこは外見的には神秘系美少女だからな。それも仕方が無いだろう。

「で、対応はどうしてるんだ?まさかるーの力を使ってるんじゃないよな?」

自衛のためのるーは何度使ってもいいらしいからな。

「ばかにするな、うー。るーはるーの力をそんなに無闇に使ったりしない」

ちょっと怒ったような顔になるるーこ

「じゃあ、どうするんだ?」

「店長に対応の仕方を教えて貰った。それでなんとかしている」

「そうか、そりゃ良い事だ」

やっぱりるーこ、最初に逢ったころとは随分違うな。

「でも、しつこい奴とかいるだろう?」

「いる。あまりにもしつこい奴は……」

「店長にでも頼むのか?」

「違う。るーが寛大にも穏便にすまそうとしているのに、その好意を無視するような輩だ。そういうのは敵として、るーは扱っている。」

敵って。おいおい物騒だな。

「それ相応のプレゼントをして追い返す」

「プレゼント?」

嫌な予感。

「るーはるーの敵には容赦しない。あれを全弾打ち込んだ後お帰りいただく」

「はぁ?!」

思わず大声が出た。

「全弾ってなんだよ!っつーかなにを打ち込むんだよ?!」

「がしがしっと」

「いや、打ち込むものだよ!」

「それはもちろんるーの力を使った……ゲフンゲフン、いやなんでもない」

話しをはぐらかそうとするるーこ

「なんでもなくねー!!」

くそっ!叫んでばっかりだ。こういうのは由真の役目なのに。

「うー」

るーこは俺の肩に手を置き優しい目で見つめる。

「世の中には知らない方がいい事もあるんだぞ?」

「なにをしやがりましたか、このやろー!!」

「おっと、そろそろ終了の時間だ。一緒に帰るぞうー。少し待ってろ」

そう言って立ち去ろうとする。

「おいちょっと待て!まだ話しは……」

「うー」

急にるーこが抑揚の無い声を出す。

「うーも食らいたいのか?るーの切り札を」

振り向き、冷たい眼差しでこちらをみる。

「うっ!」

ヤバイ、これは危険だ。具体的に言えばタマ姉を本気で怒らせた時と同じようなプレッシャーを感じる。これ以上深追いをしたら不味い。本能がそう告げている。

「イエイエ、ソンナコトハアリマセンヨ?」

片言になるのも仕方の無いことだと思ってくれ。

「そうか、ならいい。着替えてくる」

店の奥に消えるるーこ。それと同時にプレッシャーも無散する。

「ふう、危なかった」

まさか、るーこがタマ姉なみのポテンシャルを秘めているなんて。……怒らせないよう気をつけよ。

 

「待たせたな。うー。帰るぞ」

「……。」

とりあえずさっきのことは忘れることにしよう。うん、それが最善の選択だ。

「どうした、うー?」

こちらを覗き込んでくる。

「い、いや何でもない。行こうか」

「るー」

そうして俺達は歩き出した。

 

俺達は他愛の無い会話をしながら歩き、現在公園前。

「っとここまでだな。じゃあな、るーこ」

内心普通に接することができてホッとしている俺。

「うー」

歩こうとしたら呼び止められた。

「ん、どうした?」

「折角ここまで来たんだ。茶でも飲んでゆけ。にゃーも久しぶりにうーに会いたいと思っているに違いない」

にゃーってあれか。るーことよくいる黒猫か。

「そうだな。久しぶりに会いに行くか」

「うむ、そうしろ」

俺達は公園の中に入ろうとする。しかし、その時、どこからか声が聞こえてきた。

「たすけてー」

「おい、るーこ何か聞こえないか?」

「公園の中から声がする」

「よし、行ってみよう」

俺とるーこは走りだした。

 

「たすけてー」

「やっぱり声がする。助けてって言ってるぞ!」

そして俺達は声のする場所にたどり着いた。

「たすけてー」

「……。」

助けを求めたのは俺の知る人物だった。

「……会長、なにしてるんだ?」

「あ、たかちゃん。いい所に。ね〜助けてよ〜」

そう、そこにはミステリー研究会の会長、笹森花梨がいた。

木に逆さ吊にされて。

ぶら〜ん、ぶら〜んと揺れている。

「なんで木に逆さ吊になってるんだ?趣味か?」

「違うわよ!」

「じゃあ、なんで?」

ってまさか……。

「るーのトラップに引っかかったのだ」

ああ!!やっぱり!

「るーこ、地球で狩はするなとあれほど……」

「違うぞ。最近物騒らしいからな。自衛の為のトラップだ。不法侵入で発動」

「ここは公園だ!」

「入り口にるーの表札もあるぞ?」

「それはお前が勝ってに付けたものだろうが!」

「うーはわがままだなー」

「お前には言われたくねー!!」

「なんでもいいから降ろしてよー!!」

おっと会長のことすっかり忘れてたぜ。

 

「う〜、頭がクラクラする〜」

俺達は会長を地面に降ろした。逆さ吊になってたんだ、頭に血が上ったんだろう。

「自分で降りようとしても全然はずれないんだもん。本当、たかちゃんが来て助かったよ」

「そんなにきつかったのか」

「当然だ。るーの作ったトラップだぞ?抜けられると思うなよ

自慢げに言うるーこ。

「でもさ、会長なんでこんなとこにいるんだ?」

ここら辺って確かるーこの所為で人があまり寄らないようになってたはずだ。

「えーっとそれは……」

あからさまに目を反らす。これはやっぱりアレか。

「るーこを観察にきたのか?」

「ギクッ!!」

「ふう、やっぱりな」

会長の行動理由なんてミステリー以外ありえないしな

だ、だって宇宙人だよ、宇宙人!たかちゃん親しそうなのに全然紹介してくれないしさ、会長として悲しいよ」

泣き真似をする会長。

「うー、このうーは知りあいか?」

るーこが奇妙な物を見るような目で会長を見る。

「うーん、知り合いといえば知り合いだけど、知り合っちゃったのは俺の落ち度では無い訳だし……」

「ひ、ひどいたかちゃん!一緒にミス研を大きくしようねってあの星に誓ったのに!」

「誰が誓うか!!」

騙されて入ったってのに。

「もう、たかちゃんったらのりが悪いんだからー」

けらけらと笑う。こいつ絶対騙したって自覚無しだよ。

「話しを戻せ、うー。このうーは知り合いでいいんだな?」

「まぁ、百歩譲ってそれでいいとしよう」

「あ、ひっどーい!」

「ふむ、では困ったな」

顎に手を当て考えこむるーこ。

「困ったって何がだよ?」

「うーの知り合いでなければ、それ相応の報復をする所だが知り合いならばなー」

なんか危ないこといってますよ?この人。

「え、もしかして私って今ピンチ?」

「当然だ。るーがいない間にるーの家に侵入しようとしたのだぞ?敵として認めるには十分だ」

会長、偶然じゃなくて明確な意思を持ってここにきたからなー。自業自得といえばそれまでだ。

「た、たかちゃーん」

でも、さすがに手荒なことはな。何かいい方法は無い物か。

「どうしたものか。ここはやはりるーの力で……」

早く決めないと拙い。えーっとなにかないか。なにか。

「たかちゃん、なんとかしてよー」

泣きそうな会長。うん?会長?

「そうだ!これだ!!」

俺に名案がうかんだ。

「どうした、うー?」

「会長に対する罰を考えたんだ。聞いてくれるか?」

「ふむ、言ってみろ」

「ああ、それはな……」

 

 

その日から毎晩この公園では『罰』が行われている。

「べんとらー、べんとらー」

「るーるーるー」

そう、罰というのはるーこの仲間を呼ぶことだ。これならるーこの目的を達成する手助けにもなるし、会長の趣味にもピッタシカンカンだ。

るーこは帰らなくても良いと思っていると言っていたが、その事を仲間に伝えたいという目的がある。

会長は本物の宇宙人とUFOを呼べると知って大喜びだ。

もともと会長も悪い奴ではないし、二人はすぐに仲良くなった。会長の好物のタマゴサンドも一役かっている。あれはるーこの口に合うと言っていた。

すべて丸く収まったように見えるが重大な問題が一つ。

「ほらーたかちゃん、声が出てないよ?」

「そうだ、真面目にやれ、うー」

俺もこの『罰』に参加させられているという事だ。会長に聞いたら、

「ミス研なんだから当たり前じゃない!それともたかちゃんは会長の言うことが聞けないっていうのかなー?

っと言われた。くっ!弱みさえ握られてなければ速攻で断るのに。

「はい、おおきな声で!べんとら−!べんとら−!」

「るー!るー!るー!」

ああ、あんな提案しなければこんなことには…。

「ちくしょう!俺のバカヤロー!!!」

 

後の祭りって昔の人は上手い事いったなーとシミジミ感じた俺なのでした。

 

 

 

あとがき

るーこちゃんと花梨ちゃんをお送りしました。如何でしたでしょうか?

花梨は今回初です。出番も少ないですが気にしちゃいけません。仕方がないんですよ、私花梨クリアしてないので。今度時間があったとき、ゆっくりとプレイしたいと思います。

次に今回の反省を。情景の描写がイマイチ。ちゃんと読者の方に届いているか心配です。あと、るーこのキャラがきちんと掴めていたかどうかも。他に悪いところがあればどんどん御指摘下さい。待ってます。

最後にお礼を。これを書いている時点でカウンターが9000を突破しました。もうすぐ一万の大台に乗ることが出来ます。サイト開設から二週間。こんなにも多くの方が私の拙い文を読んでくださるとは思いませんでした。本当に、本当に、ありがとうございます。これからも精進していくのでどうかよろしくお願い致します。

 

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