笹本花梨の憂鬱

 

 

 

「ねぇタカちゃん」

「ん?」

「部員集まらないねー」

「そうだな」

「やっぱ名前が悪いのかな?」

「いや、名前は関係ないだろ」

「うん、ということで今日は部の新しい名前を決めよっか!!」

「……人の話を聞けよ、おい」

 

「と、いうわけであれから数十分経ったわけなのですが。タカちゃん、何かできた?」

「いんや、全然だね」

「もう、部活中なんだからしっかりやってよね!!」

「そういう会長は?」

「あたし?へっへーん」

「いい案が浮かんだみたいだね」

「うん!!聞いて」

「はいはい」

「その名も『SOS団』!!」

「……」

「これはね、「世界をもっとおもしろくするための笹本花梨の団」の略よ。どう?いい名前でしょう?」

「……その名前使うんだったら後超能力者と未来人と宇宙人が必要だな」

「そういう人たちが入ってほしーなーという願いも込めて考えてみました!!」

「……確信犯かよ」

 

「と、いうわけであれから数週間たったわけなのだが……」

「どったのタカちゃん?ボーっとしちゃって。ゆっきーの入れてくれた紅茶、飲まないの?」

「お口に合いませんでしたか?貴明さん」

「いんや、そういうわけじゃないよ。ちょっとボーっとしてただけ」

「駄目よー、タカちゃん、若いうちからボーっとばかりしていると、すぐボケちゃうよ?」

「うむ、うーかりの言うとおりだ。ただでさえうーは頭が悪いのだからな」

「……酷い事を平気でいいやがるな、貴様ら」

「ふふふ、みなさん本当に中が良いですね」

「ああ、本当に」

「……」

「どうかしましたか?先輩」

「いや、違う学校なのによく毎日来てくれるなーって」

「元々オカルト方面には少なからず興味がありましたから。それに会長との会話は有益なものが多いので」

「えへへー、照れるなー」

「……俺はそんな知識よりも一般道徳を仕入れて欲しかったけどな」

「むー、失礼だよ、タカちゃん!!」

 

「と、まぁこんな感じでミステリ研改めSOS団が結成したわけなのだが」

過去の記憶を掘り起こし終えた俺は、改めて現状のメンツを見てみる。

愛佳つながりで花梨と知り合いになった、超能力者(?)優季さん。(文芸部と掛け持ち)

自称宇宙人のるーこ。

以外にもミステリー好きで知り合ってからはよく会長に会いにくるようになったちゃる。

そして諸悪の根源の会長こと笹本は花梨にその被害者件スケープゴート(生贄)な俺。

この五人のメンツでSOS団は成り立っている。いや、偶に愛佳や他の知り合い達もやってくるので、実際はそれ以上か。

何はともあれ予想以上のメンバー増員に会長は大喜びである。よって前にも増して張り切ってミステリー談義をするようになった。

しかも今までやる気のなかった俺に無理やり聞かせていたという状況とは違い、みんなえらく真面目に聞いて、えらくまじめにミステリーについて談義している。打てば響くとはまさにこの事である。

お陰で会長のやる気にも更に追加補正が加わり、もう俺では止められない程の絶好調ぶりを発揮してくれている。

この前なんかその辺の林嫌がる俺をむりやり引っ張ってUMAを探しにいったくらいだ。しかもどこのどいつが流したのかしらないが、俺の『肉』は高級品だとかでUMAをおびき寄せるための餌にされた。具体的には逃げられないように縛られてその辺に転がされたのだ。

あの時はホント、疑問に思ったね。俺はこんな所でなにしてるんだろうって。

まぁ、そんな事があってもいまだここに顔を出している俺もここにいるメンツとは比べても劣らない変わりものかもしれないけどな。

「何言ってるのよ。比べても劣らないじゃなくてこんなかで一番の変わりものはタカちゃんよ?」

はは、何言ってるんだよ会長。そんな事あるはずないだろ?な、みんな。

「確かに貴明さんはちょっと変わってるかもしれませんよね。少なくともここにいる人たちよりは」

「うーはよい調査材料だ。るーも興味を持っている」

「先輩、今更なに言ってるんですか?」

な、何!!みんなもしかして俺のことそんな風に思っていたのか!!

ぽんぽん。

なんだよ会長、人の肩叩いて。今取り込み中なんだよ。

「気付いてないのは自分だけ、てね」

……がーん。

「さ、タカちゃんも納得した事だし、今日の部活を始めましょうか!!」

「「「はい(了解だ)!!」」」

俺は納得してねー!!!!

 

 

続……かない

 

 

あとがき

誰がだれかは各自の脳内保管でヨロ。

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