オカルト研究会にて(3)

 

 

「う〜ん、別に普通ね〜」

部屋に入って辺りをざっと見渡した後、不満げに会長が呟いた。

「というか物置に何期待してたんだ?」

そう俺が問いかけると頬に指を当て、天井を見ながら考える。

「ん〜とね、やっぱりオカルト研究会が使ってたんだからそれ相応のものがあって欲しかったな〜って」

「ほう、例えば?」

「人間のホルマリン漬け」

「んなもんあるかー!!!」

こいつ、さらっと危ない事を言ってくれる。

「ええ〜、そうかな〜?オカルト研究会って主に黒魔術をやってたらしいからあってもいいと思うんだけどな〜」

「ここは学校だ!!」

そんな危ない物があってたまるか!

「んも〜、タカちゃんは固いんだから〜、ミステリーの解明には柔軟な発想が不可欠よ?」

やれやれといった感じに両手を上に向け、首を振る。

「お前の頭が柔らかすぎるんだよ!!!」

「ははは、タカちゃんさっきから怒鳴ってばっかりだよ?カルシウム不足?」

ニコニコ笑いながら会長が言う。

「ま、タカちゃんをからかうのはこれぐらいにして、一応来たからには調べていきましょうか」

そう言ってもう一度辺りをぐるーっと見渡す会長。この野郎、やっぱりからかっていやがったのか。

「ほらほら、タカちゃんもぼーっとしてないで一緒に探しましょ?」

……へいへい」

俺はしぶしぶ頷き、会長と一緒に辺りの探索に取り掛かった。

 

十数分後……。

「タカちゃーん!そっちなんかあったー?」

棚を挟んで向かい側にいる会長から声がかかる。この教室、ちょうどこの棚を挟んで二つにスペースが分かれているので俺達はそれぞれで手分けして探す事にした。

「いいんやー!そっちはー?」

あるものといえば、地球儀や、大きい分度器、後は細々としたもの達しかない。ここ、結構綺麗に整頓されてるからざ−っと見ただけで、何があるのかがわかってしまう。

「こっちも本とかあるけど、ミステリーとは無関係ー!」

ちなみに会長の担当箇所は本棚と机ぐらいしかない。部屋全体を見ても怪しい物なんてなく、本当にいたって普通の物置である。

「いいやー!とりあえず集合ー」

会長の掛け声によって部屋の入り口に集まる俺達。……集合っていっても二人しかいないんだけど。

「んー、どうやら噂はガセっぽいわね、あ〜あ、結構期待してたのにな〜」

がっくりと肩を落とし、溜息を吐く。仕方が無いさ、世の中万事自分に都合よく出来てはいないのだから。決していい気味だとか思ってはいない。ホントデスよ?

「ま、気を落とすなよ。会長も言ってたじゃないか。ミステリーに会うには根気も必要だって」

ぽんぽんと肩を叩いてやる。女の子が苦手な俺だが、なぜか会長にはこのみ達と同じように接する事ができたりもする。……って、あんだけ振り回されてるんだ、恥ずかしいとかいう感情なんかとっくに吹き飛んでるのかもしれない。

「うう、でもさー、オカルト研究会が使ってたんだから魔法陣ぐらいあってもいいと思わない?……?魔方陣?」

そう言うとバッと体を起こし、絨毯が敷いてあるところを見る。

「おいおい、まさかあの下にあるとか言うんじゃないだろうな?」

もう廃部扱いになってからかなり時間がたってるんだ。昔はあったとしてももう消されているのがオチだろう。

「でもさ、あの下って調べてないよね?だったらやってみないと!可能性が少しでもあれば挑戦するのも、ミステリーに会うポイントよ?」

腰に手を当て俺の鼻の先を指でちょんっと押す。ふう、こうなった会長は頑固だからな。仕方が無い。

……はいはい、それで会長の気が済むならそうしましょう」

「うん、そうしましょ!」

会長はニッコリと笑い、大きく頷いた。

そうして俺達は絨毯の上にある机を退かす作業に取り掛かかるのだった

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