閑話
「というわけで私とご主人様とのラブラブ新婚生活が始まったわけなのですが」
「をい、ちょっと待て」
「はい、何でしょう浩之さん?」
「さも、不思議そうな顔をするな。さっきの発言についてだ。さっきの」
「ああ、冒頭の」
「お前、そんな事言うキャラじゃないだろ」
「まぁ、ここは前座の拡張版。番外みたいなものですし本心を暴露してもいいかなっと」
「……そんな事考えてたのか」
「作者の話によると、私もヒロイン候補の一員らしいですから。当然の事です」
「え、これって最後に河野が元の時代に帰ってめでたしめでたしじゃないのか?」
「前回も言った通り、今後は凄い展開になっていきますから」
「じゃあ、あいつがこの時代に残るのもありって事か?」
「いえ、それはありません。あの作者にタイムパラドックスから始まる色々な矛盾を解決させるのは不可能でしょう」
「勢いだけだもんな、あいつ」
「え〜、貴明くん帰っちゃうんだ〜」
「あ、謎の人」
「ふふふ、そう呼ばれるのも今回までよ。次回からようやく、ようやく正ヒロインたるあたしの出番がくるのよ!!ああ、長かった〜〜」
「ちっ」
「……セリオ、今なんか言ったか?」
「いえ、何も。気のせいじゃないですか?」
「……(セリオ、こんなに黒かったっけ)」
「でも、謎の人」
「何よ、サブキャラ。あなたの天下も今回までだからね」
「それはどうでしょうかね」
「……どういう意味かしら?」
「だってあなたは2のヒロインの母親ではありませんか。そんな人が本気で正ヒロインだと思っていたのですか?」
「うっ、それは根性でなんとか……」
「無理ですね。年齢の問題がつきまといますし、何よりあなたと貴明さんがくっついてしまうととんでもない矛盾が生じてしまいますから」
「くっ!!痛い所を……」
「そのてん私はロボットですから。全ての矛盾をクリアできます。しっかりメンテナンスすれば貴明さんの時代までなんて余裕です」
「と言う事は、本当のヒロインは謎の人じゃなくて」
「私、という事になりますかね。まぁ、謎の人がヒロインなんて所詮、作者がプロット段階で設定した事にすぎませんから」
「あー、あいつ今まで予定通りに書き上げた事なんて一度もないからなー」
「今回も十中八九そうでしょう。本当だったら謎の人の登場はもっと早いはずでしたから」
「ふ、ふふふ……(不気味な笑い)」
「おや、どうしました?絶望感でもう笑うしかありませんか?」
「せ、セリオ。流石にその物言いはどうかと思うぞ?」
「いいのです。ここは番外ですから」
「……(絶対そういう問題じゃないと思う)」
「(ビシッと指をさして)いいわ、今回は負けを認めてあげる。でも、これで勝ったと思わないことね!!帰って琴○と作戦会議してやるんだからーーー!!!」
「うわーん、琴○ー!!」とダッシュで去っていく謎の人。
「……今伏字の人名が入った気がするんだけど」
「ええ、この段階でばらしてしまうとかなりのネタバレになってしまいますのでやむなしでしょう」
「というかさ、なんであの人の名前が出てくるんだ?」
「言いましたよね?『凄い展開になる』って」
「……それはつまり、予想外のキャラがバンバン出てくるって事か?」
「ええ、もちろん。でも、それだけじゃありませんよ?」
「まだあんのかよ……。こりゃマジで予測がつかないな」
「それはそうでしょう。なんたって作者も予測できないのですから」
「をい!!」
「奴に期待するだけ無駄ですよ。それよりも閑話とはいえ少し長くしすぎました。これ以上長引かせると他のキャラが乱入してきそうです。そろそろ締めましょう」
「オーライ。流石にこれ以上出られたら危険だからな(どんどんセリオの性格が黒くなって)」
「というわけで、今回はここまでです。また次回でお会いしましょう」
「またなー」
画面隅……
「で、出番が無かった……。俺、主役なのに……(ガクッ)」
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