「士郎―――――――――――――!」

ドス!

「グフッ!た、ただいま、イリヤ。今日も元気だな。」

 

と言い、俺は腹に抱きついているイリヤの頭を撫でてやった。

 

「うん!えへへ、士郎のにおいだー。」

 

うれしそうに俺の腹に擦りつくイリヤ。猫を連想させる。

 

イリヤとスキンシップをしていると、バタバタと足音が聞こえてきた。

 

「あ、お帰りなさい。シロウ。こら!イリヤスフィール!シロウから離れなさい!」

 

足音の主はセイバーだった。彼女も出迎えに来てくれたらしい

 

「うらやましいの?セイバー?でもダメよ。私が先なんだから。」

 

「違います!士郎が帰ってきたんですからご飯を作ってもらわないと」

 

おいおい、まだ5時だよと突っ込みたかったが彼女なら仕方ないか。

 

「わかったよセイバー。すぐ飯作るから。ほら、イリヤも離れて。」

 

え−、と言う彼女を引き離し俺は台所へ向かう。

 

「はい。士郎。おいしいご飯を期待しています。」

 

と、すごくいい笑顔で言うセイバー。この笑顔のために頑張ろうと思ったある日の

夕方だった。                                                          

 

 

そして時間が経過した。

 

 

 「ハァ〜」

 

士朗は目の前にあるコップを見つめてため息をついた。

 

「ほ〜ら〜士郎。ぜんぜん飲んでないじゃないの。もっとグイっといきなさいよ。」

 

士朗に酒を勧める学園のアイドル遠坂凛嬢。すっかりできあがっている。

 

「そ〜ですよせんぱ〜い。もっと飲みましょーよー」

 

こちらは士朗の妹的存在の間桐桜嬢。姉と同様できあがっている。

 

「あのなぁお前ら。明日も学校があるんだからほどほどにしとけよ。ほら、藤ねぇからも言ってやってよ。」

 

士朗は教師であり、この騒ぎの原因となった人物に助けを求めた。が、

 

「グーーー。」

 

本人は夢のなかだった。

 

「おい!あんたが酒持ってきたのが原因だろ!責任とってから寝ろ!」

 

士朗の叫びも彼女を起こすことは出来なかった。

 

「せんぱ〜い叫んでないで飲みましょ〜」

 

「そ〜よ〜しろう。あ、私が飲ませてあげるわ〜」

 

自分のコップから酒を口に含み、士朗の頬を掴む。

 

「ん〜〜〜〜〜」

 

どうやら口移しでのませようとしているらしい。

 

「ば、馬鹿。何やってるんだよ。」

 

「ずる〜い姉さん。私もやる〜。」

 

姉と同じように酒を含み士朗に口を突き出す。

 

「「ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜」」

 

姉妹からのコンビアタック。撃墜されるのも時間の問題だ。

 

「ちょ、ちょっと二人とも落ち着けって!」

 

しかし二人は止まらない。だが、神は彼を見捨ててはいなかった。

 

「こら!二人ともいい加減にしなさい!」

 

セイバーが怒鳴った。特技カリスマ(B)。二人の動きが止まった。

 

「ゴクッ。何よ〜セイバ〜。飲んじゃったじゃないのよ〜」

 

「そ〜ですよ〜邪魔しないで下さいよ〜」

 

抗議の声を上げる二人。だけど士朗は内心喜んでいた。

 

「別に邪魔をするつもりはありません。つまみがきれたので作って欲しいのです。」

 

彼女も飲んでいたが、さすがは王。酔ってるそぶりがまるでない。

 

「ごめんセイバー。もう材料が無いんだ。」

 

「なんですって士郎!あなたは私を侮辱する気ですか!」

 

訂正、彼女も酔っているようだ。

 

二人に迫られ、セイバーに責められ、どうしようか悩む士朗。

 

「あらセイバー。レディーとしてみっともないわよ?」

 

イリヤが発言した。ちなみに彼女も飲んでいる。その証拠に顔がほのかに赤い。

 

「ほう、あなたまで私を侮辱すると?」

 

怒気のこもったセイバーの問いかけに答えず士朗の背中の後ろにまわるイリヤ。

 

「イリヤスフォール?」

 

「お兄ちゃん、脱いでくれる?」

 

そういって士朗の服を脱がせようとするイリヤ。彼女もそーとー酔っている。

 

「ちょ、何するんだよイリヤ!」

 

イリヤは答えず、士郎を脱がす。もう上半身がほぼ裸だ。

 

「なぜシロウを脱がすのですか?イリヤスフォール。」

 

「つまみって言っても食べる物だけじゃないでしょ。好きな人を見ながら、っていうのも悪くないと思うんだけど?」

 

「じゃあ、何で脱がせようとするんだよ?!」


「それはもちろん食べたくなったときのためよ。」


ニヤリと笑うイリヤ。とても幼女の笑いには見えない。

 

「なるほど、それはいいですね」

 

ニヤリと笑い返すセイバー。こちらもいつもの笑顔ではない。

 

「そうね。私たちも頂こうかしら。ね、桜」

 

「そうですね、姉さん」

 

頷き合う姉妹。しかも食うこと前提。

 

士朗に近づいてくる3人。イリヤは服を脱がすのを再開している。

 

「み、みんな、嘘だよね。う、うわーーーーーーーーーー!!!!」

 

この後どうなったかは本人達のみしか解らない。

 

 

おしまい

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